高校時代はバスケットボールに情熱を注ぎ、県ベスト4や関東大会にも出場することができました。
しかし、部活動以外の時間は学校にもあまり行かずに怠惰な日々を過ごしておりました。高校卒業後は家には居場所がなく、結婚して子供ができるまでは実家とも完全に音信不通となりました。
そんな私が簿記と出会ったのは24歳の頃、偶然本屋で手に取った本がきっかけです。学生時代には全く勉強しなかったため、改めて何かを学ぶということが新鮮でした。すぐに簿記に引き込まれ、半年ほどで日商1級を取得し、その翌年には税理士試験の3科目に合格しました。既に2児の父でもあり、仕事をしながらの勉強は非常に大変だったのですが、当時はまだ若かったのと、本気で学ぶ楽しさを実感して1日数時間の睡眠でも頑張れたことを覚えています。
その後、初めて経理の仕事に就き、その会社の顧問だった公認会計士の小松英明先生から、職業会計人を本気で目指すなら良い事務所を紹介するという申し出を受け、会計部門がある法律特許事務所に転職しました。
同事務所では私の人生にとって貴重な出会いがあり、クライアントであった外資系IT会社のCFO、南野章さんからオラクルへの転職を勧められました。オラクルでの約10年間は、経理の仕組み作りや各種社内システム(自社ERPはまだありませんでした)の構築等に携わる一方で、決算や税務申告書の作成などを担当しました。徐々に責任のある仕事を任され、全社の予算編成や業績予測、新規事業の収益性検討等の業務を通じて、経営陣ともコミュニケーションを取る機会が多くなりました。
財務に異動した後は資金管理や資本政策の立案と実行、そして上場プロジェクトに責任者として関与し、1999年の店頭公開、2000年の東証一部上場を実現することができました。経理・財務業務に留まらず、取締役会の事務局長やIR、CFO補佐業務も担当し、これらが貴重な経験となりました。
2001年、オラクル時代の同僚だったアレンマイナーさんが石橋愼一郎さんや永山隆昭さんと共に立ち上げたサンブリッジにCFOとして参画しました。サンブリッジグループはVC事業を中核に、テクノロジー、マーケティング、ヒューマンリソースなど、ベンチャー企業が成長するための各種リソースを提供することで、彼らが自然に育つことができる生育環境(ベンチャーハビタット)の構築をミッションとした企業グループです。
私は、取締役管理本部長兼グループCFOとしてグループ全体の経理・財務・人事・総務・法務などの管理部門を統括する一方で、自社グループのM&Aや組織再編を数多く手がけました。また、独立系VCとしては7社の上場を成功させましたが、私自身はファンド組成や投資候補先のデューデリジェンス、投資契約の交渉、そしてイグジット時のスキーム構築などに携わりました。
2010年、サンブリッジの最大のイグジットディールを成功させた後、市ヶ谷でフィデス会計社を設立いたしました。現在こうして税理士法人の代表として活動できるのも、様々な人との出会いと縁のお陰だと感じています。これからも引き続きのご支援をよろしくお願い申し上げます。